システムキッチンのショールームは、家の新築やリフォームの際に、プランや色の相談に訪れる場所。
ショールームアドバイザーはお客様の要望に応えるため、専門的な知識が必要とされます。
仕事は主に、次の2つです。
主な仕事
- ショールームに来場するお客様の希望をヒアリング
- 自社商品の説明をしながら、具体的なプランを提案
ショールームアドバイザーの仕事に、特別な資格は必要ありません。
けれど建築や施工に関する知識が不可欠なため、専門性を高めるために、資格の取得を目指す人も多いでしょう。
この記事では、ショールームアドバイザーとして働きたい人や、すでに勤めていてスキルアップをしたい人に向けて、おすすめの資格をご紹介します。
目次
まずはキッチンスペシャリストを目指そう
信頼を得やすくなる
ショールームアドバイザーが資格を考えるときに、最もおすすめなのが「キッチンスペシャリスト」です。
キッチンのプランを考えるときは、次のことに注意します。
プランニングの注意点
- 新築か、リフォームか
- 家族は何人か
- 設置に必要なスペースは取れているか
- 柱や梁に干渉しないか etc......
家事動線に無理はないか、作業効率は良いかなど、家全体の使い勝手まで考えたプランニングも大切です。
これらのノウハウは経験により身につくものですが、キッチンは時に何百万を超える高額な商品であり、お客様の生活の一部となるもの。
できることならしっかりと専門的な知識を身につけた上で、ご案内したいですよね。
お客様から見ても、「キッチンスペシャリスト」と肩書のあるアドバイザーにプランニングしてもらう方が、安心感があります。
また初対面のお客様から、限られた時間でできるだけ多くのニーズを引き出すには、相手にどれだけ信頼されるかも大切です。
資格が全てではありませんが、わかりやすい評価があれば、相手からの信頼はより得やすくなりますよ。
働きながら学ぼう
資格を取るタイミングですが、ショールームアドバイザーになるために勉強をはじめるのは、あまりおすすめしません。
未経験の方が独学で必ず合格できるほど、キッチンスペシャリストの試験は簡単ではないからです。
建築業界には専門用語も多くありますし、はじめは覚えるだけで精一杯です。
ある程度、住宅設備の基礎知識が備わってから勉強をはじめたほうが、身につきやすいですよ。
特に実技試験としても出題されるプランニングは、先輩アドバイザーから教わりながら学ぶのが一番です。
キッチンスペシャリストの資格については、こちらの記事で詳しく説明しています。
ここまでのおさらい
- キッチンスペシャリストの資格は、お客様からの信頼を得る手助けになる
- 実際に働きながら学ぶのがおすすめ
スキルの幅を広げる資格
キッチンスペシャリストは、住まいに関する資格の中でも比較的取りやすい、入り口にふさわしい資格です。
その上でさらにスキルの幅を広げたい方に、キッチンスペシャリストと相性のいい資格をご紹介します。
インテリアコーディネーター
インテリアを仕事にしたい方にとって憧れの存在。とても人気のある資格です。
キッチンスペシャリストと同じく、インテリア産業協会が資格認定している民間資格ですが、キッチンスペシャリストよりも幅広い範囲の知識が必要とされ、専門性も高いです。
2021年度(第39回)の受験申込者数11,171名に対し、合格率は 23.5%。
インテリアコーディネーターは取得希望者も多いですが、難易度も高い資格です。
それだけに人材の需要も高く、住宅設備メーカーの他にインテリアメーカーや専門商社、リフォーム会社やハウスメーカーなど、活躍の場は多岐にわたります。
試験範囲の限られたキッチンスペシャリストで、まず製図の基本を学んでから、インテリアコーディネーターの資格試験に挑戦するという方も多いですよ。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、住まいと暮らしの様々な問題を解決し、「高齢者や体の不自由な方にとっても住みやすい暮らし」を提案するアドバイザーです。医療・福祉・建築についての幅広い知識を身につけ、適切な住宅改修プランを提案します。
新築着工数が伸び悩んでいる現在でも、リフォーム業界では専門知識を持った人材が必要とされています。
ショールームでの活躍はもちろんのこと、バリアフリーという観点からプランの提案が行えるので、リフォーム専門会社への転職などさらなるキャリアアップも目指すことができますね。
カラーコーディネーター
ショールームでお客様の相談にのっているとき、必ず迷うのが「色の選択」です。
例えばキッチンの扉など、室内のイメージを大きく変える部分の色決めには、慎重になる方が多いものです。
こんな時、専門的な目線からのアドバイスが聞ければ、これほど喜ばれることはないですよね。
インテリアコーディネーターの取得も視野に入れているようでしたら、ぜひ検討したい資格です。
整理収納アドバイザー
キッチンのプランニングをしている時、家事動線とともに特に考慮しなくてはならないのが、「何を・どこに」収納するのかというポイントです。
キッチンスペシャリストは顧客の悩みをヒアリングし、それを実現可能なプランの中に落とし込んでいきます。
すっきりとした使い勝手の良さを実現するためには、収納プランは欠かせません。
物がしまいきれないと悩む人も多いので、収納は必ず重視したいポイントの1つです。
整理収納アドバイザー資格を取得することで、自信をもって、ワンランク上の収納プランを提案することができますよ。
大切なのは学び続ける姿勢
システムキッチンのショールームで働くうえで、役に立つ資格についてご紹介しました。
結論、資格がなくても、ショールームアドバイザーとして活躍することはできます。
しかしお客様の大切な家に納入する商品を扱う以上、専門的な知識を深めようとする姿勢は欠かせません。
キッチンのデザインや扉色の好みはトレンドに大きく左右されますし、ガスコンロやIHヒーター、食洗機などの設備機器も、すぐに新しい機種が登場します。
常に学び続けようとする真摯な姿勢が、ショールームアドバイザーには不可欠です。